ご挨拶

この度、新宿の京王プラザホテルにおいて、2019年(平成31年)2月28-3月1日の2日間、第38回日本社会精神医学会を開催する運びとなりました。

大会テーマは、「幸福な長寿社会をめざして」といたしました。わが国では世界的にみても驚異的なペースで少子高齢化が進み、労働力の減少、医療費の増大、地方においても都市部においても医療資源の不足など多くの課題があります。精神科領域では、認知症高齢者の増加、高齢者の地域ケア体制をどのように作り上げるか、認知症の早期診断と予防・治療、高齢者の自動車運転の問題、高齢者を狙ったさまざまな詐欺事件がおこっていますが、高齢者の経済的判断をどのように支援するか、百歳を超える超高齢者も増えてくる中、どのようなサクセスフル・エイジング・モデルを構築するか、など、まさに精神科医療と社会とが共に考えていかなければならない課題がたくさんあります。その意味では、疫学的手法や社会科学的手法を用いて、社会的文脈からこころの健康問題の予防、疾患の診断・治療・リハビリテーション、社会保障制度のあり方等の研究を行っている本学会が、積極的に検討と提言を行っていくことに大きな意義があると考えます。今大会では「幸福な長寿社会をめざして」、さまざまな領域でご活躍の先生にお話をいただきまして、皆さまと一緒に考えていきたいと思います。

また、今大会では、日本疫学会との合同企画での疫学に関するパネルセッション、全国精神保健福祉センター長会議によるシンポジウム、本学会の委員会企画シンポジウムも新たな試みとして企画いたしました。本学会が、社会精神医学に関わる多くの医療者、研究者の集う場として、ますます発展していくことを期待します。

第38回東京大会の会場となる京王プラザホテルは、JR新宿駅にほど近い交通至便の場所にあります。新宿は、会場のある、都庁やホテルなどの超高層ビルが立ち並ぶ西口エリア、百貨店や飲食店街のある東口エリア、新しく開発された南口エリアと活気に満ちた場所です。2年後の2020年夏にはいよいよ東京オリンピックが開催されます。オリンピックスタジアムの建設がだいぶ進んで参りましたが、スタジアムは新宿からJRあるいは地下鉄で2駅ですので、新宿の高層ビルからもすぐ間近に眺めることができると思います。

それでは、皆さまとお会いできることを楽しみにしています。第38回大会に是非お越しください。

第38回日本社会精神医学会
会長 三村將
慶應義塾大学医学部
 精神・神経科学教室 教授